Smiles make me happy

キスマイをただただ語りたいときに。たまに他のことも。

レインツリーの国

観ました。レインツリーの国。

 

原作を読んだのは約1年半前。「レインツリーの国」は、もともとは図書館戦争シリーズに登場する毬江が、片思いする小牧教官から勧められる本として登場します。大阪出身の青年と難聴の女の子との恋の話です。

 

有川浩さんの作品の中では「図書館戦争」や「キケン」や「阪急電車」が好きな私には、「レインツリーの国」は登場人物も少ないせいか、わりと地味な話だと感じていました。聴覚障碍者の方からの視点がとても丁寧に描かれた話です。そんな「レインツリーの国」が映画化。監督は「阪急電車」「県庁おもてなし課」を手掛けた三宅喜重さん。そして、伸行役は玉森裕太。我らがキスマイから初の主演映画。ひとみ役はモデルや歌手で活躍中の西内まりやちゃん。期待せざるを得ない。でも、玉森くんが関西弁?華やかでかわいらしいまりやちゃんが野暮ったいひとみを演じるの?と、疑問も消えず。

 

そんななか、観に行ってきました。

ここからネタバレです。

 

 

映画では、片思いにただただ悩む主人公とちょっと気難しいヒロインとの、切なくて温かい、優しいラブストーリーでした。ヒロインがたまたま聴覚障碍者だっただけ。でもそれが、他の恋愛映画とは一線を画す、とても良いスパイスになっていました。

 

まず、玉森くん。 関西人の私から見ても、関西弁を本当によく頑張ったなぁと感心するほどとても自然なお芝居でした。ん、ちょっと言い過ぎたかも。正直気になるところは多少ありました。でも、ジャニーズなら関西出身の子が演じればいいんじゃないか、別に大阪出身という設定までは原作通りにしなくてもいいんじゃないか、と言い出したらキリがないし元も子もないので、そこはおいておく。

玉森くん演じる伸はとても表情豊かでした。自分にも他人にも正直で、行動や物言いがストレートな伸だから、ひとみの心を動かしていくのですが、その様子がとてもシンプルに伝わってきました。そして、それがとても微笑ましかった。

それにしても、玉森くんってお芝居うまいのね。いや、うまくなった、なのかな。青春探偵ハルヤは見てるものの流し見なので(ごめんなさい)、しっかり見るのは初めてでした。玉森くんには、心許した人といる時は楽しそうだけどキスブサのVTRやソロでのゲスト出演ではわりとクール(というか人見知り炸裂)なイメージを持っていたので、表情豊かな伸を演じる玉森くんは私にはとても新鮮でした。初主演映画が三宅監督と有川浩作品。本当によかったね。頑張ったね。作品に恵まれ、その期待に応えた玉森くん。今までろくに観てなかったくせに親心がわきまくりです。


まりやちゃんからは丁寧にひとみを演じている様子が伝わってきました。衣装と髪型の効果もあり、髪を切るまでは表情も暗く野暮ったいのなんのって。そんなひとみは伸のまっすぐな言葉に心を揺さぶられていくのですが、髪を切ってからは表情も明るくなりとにかく可愛い!!!ひとみの気持ちに寄り添いながら作品に向き合っているまりやちゃん、とても良かったです。

ひとみの職場のシーンでは聴覚障碍者に対してあそこまであからさまな偏見があるものなのかと疑問に感じざるを得ませんでしたが、ひとみが心を閉ざしている以上、起こりうるのかもしれません。ひとみの耳のことがからかいや嫌味の対象になり、そこから一切言葉を発さず筆談を貫くひとみ。そしてそれが更にコミュニケーションを遮ってしまう。ひとみは自分の心を守る為にそうせざるを得なかったんだろうな…と、その心理はわかる気がしました。電車内のシーンでは多数の人がひとみの補聴器をじろじろと見つめますが、実際そんなことある?と思いつつ、ひとみにはそう映っていたんだろうなとも思ったり。

ご両親との関係もとてもリアルでした。母親がひとみを抱きしめるシーンでは涙が出ました。それを父親に隠し、女同士の秘密にする。私自身も経験したことなので共感しまくりでした。温かくて切ない。

伸とのすれ違い。職場での事件。両親との関係。切ないシーンがひたすら続いてから、伸との大阪デート。髪を切ってから表情がパァっと明るくなるひとみが本当に本当に可愛くて、こっちまで幸せを貰えました。よかった。


ちなみに一番好きなシーンは、職場でセクハラされた時に自ら叫んだことで助かったという話をしたひとみに、伸が「ちゃんと声出して自分の身を守れたのは偉いやん(ニュアンス)」と話したところでした。ひとみを認める伸。伸の話し方もひとみの表情も、グッときた。でも、あんな職場辞めた方がいいよ。


とまあ、ここまで絶賛しまくりですが、細かいことを言えば正直色々あります。伸の荷物置き引きに合わなくて良かったねとか、今どき「おおきに」を使う若者っているのとか、本当に細かいことが色々。ラストシーンが少し駆け足だったのも、すごく勿体なかった。でも、心温まる映画であったことには違いないので、できるだけ多くの人に見てもらいたいと願っています。

とにかく玉森くんとまりやちゃんが、俳優としても役柄としてもとても初々しくて、この物語にはぴったりでした。可愛かった。これからの2人の成長に期待しまくりです(何様)


それにしても、ハッピーエンド最高。この前観たグラスホッパー、終わり方がスッキリしていたにしろとにかく後に引くグロさだったので、ハッピーエンド最高でした。グラスホッパー面白かったんだけどね。


「レインツリーの国」はとてもリアリティーのあるお話ですが、私にとってはあくまでも「図書館戦争」に出てくる本です。それが今回映画化されたとのことで、小牧教官と毬江ちゃんが映画デートする様子を思い浮かべてしばらくニマニマできそうです。「レインツリーの国」は字幕付きでの上映が決まってるそうなので、ぴったりかと。キャストはもちろん田中圭くんと土屋太鳳ちゃんで!